ゲームボーイの生みの親・横井軍平さんの言葉に学ぶ
ゲームボーイといえば、小さい頃にポケモンやドラクエを夢中でプレイした記憶が蘇ります。
幼い頃の思い出で記憶がストップしていたので、恥ずかしながら誰が開発したのか?はNewsPicksを通してこの記事を読むまで知りませんでした。
初めて横井軍平さんのことを知り、思考に触れましたが、素晴らしい思想の持ち主ですね。
非常に参考になる思考が多かったので、個人用のメモという意味でも、記事としてまとめておきます。
世界にない商品は最先端ではなくても作れる
ただし、間違えてもらっては困るのは、世界にない商品を作るということは、世界の最先端をゆく、世界にまだない技術を使おうということではありません。
「最先端」にこだわり、「不要」なものをたくさんつけて「高価」な玩具を作るとしたら、それこそ「大企業病」であり、「すきま」精神を忘れた行為だと思うのです。
出典:(4ページ目)ゲームボーイを開発した伝説の技術者・横井軍平「私はなぜ任天堂を辞めたか」 | 文春アーカイブス | 文春オンライン
開発者の意見として、非常に本質的だと思いました。
確かに最先端だったり、まだ世界にない技術を開発すればそれは「世界にない商品」に間違いないのですが、価格が高くなってしまうと誰も買わないので意味がないんですよね。
少なくとも「娯楽」というジャンルでは、間違いなくそれが言えるでしょう。
たとえば人は200万円の車を喜んで買いますが、それと同額のゲーム機なんて絶対に誰も買いませんからね。
無駄をなくして最低限の機能のみ実装して安く仕上げるのが良い商品:ゲームボーイは7つしか機能がない
皆さんも、お持ちになっている家電製品で、使い方がわからず、全く使ったことがない機能がいくつもある製品があるでしょう。ワープロやビデオにもそういうものがあります。これは、大企業が作る製品だからではないか、私などそんなことを考えることもありました。
「ゲームボーイ」の場合、ハードもソフトも同じ部内で開発していました。ハード屋に指示を出し、ソフト屋にそのハードでどんなことができるのかを検討させたのを見て、またハードのこの部分はいらない、ソフト屋はそんな機能は使わないといった作業を繰り返します。だからこそでき上がった商品はまるっきり贅肉のないものになりました。
つまり、いらない機能を全部捨てたからあの値段でできたのです。私は娯楽という分野ではそれが非常に重要なことだと思います。
出典:(5ページ目)ゲームボーイを開発した伝説の技術者・横井軍平「私はなぜ任天堂を辞めたか」 | 文春アーカイブス | 文春オンライン
そういえばゲームボーイの機能って、以下の7つだけなんですよね。
ゲームをプレイするボーイが必要とする最低限の機能のみが実装されている超シンプルな設計です。
ゲームボーイで遊んだことがある人で、これらの中で1つでも使ったことがない機能がある人はいないでしょう。
それってよく考えると凄いことですよね。横井さんのおっしゃる通り、ゲームボーイはまるっきり贅肉のない、素晴らしい商品ですね。
これは昔に限った話ではありません。
現に無駄な機能を排除してシンプルかつ美しいデザインに仕上げることで、スマートフォンを再定義したiPhoneが評価されていますよね。
このことからも分かる通り、贅肉のない商品を開発することはモノづくりを行うことの本質であると考えています。
ブログなんかでも同じことが言えますね。
無駄な文字列が一切なく必要な情報だけが書かれている記事は、情報としての質が高いですからね。
枯れた技術の水平思考で賢くフラットに発想する:ニンテンドーラボに横井さんのDNAを感じた
本当の先端技術を使ったら売れるものはできません。娯楽の世界ではそんな高い商品は誰も買ってくれないのです。私は世の中を見て「枯れた技術」を使えと言っている。
(中略)
もともと先端技術は娯楽品を作るために出てきたものではありません。軍事であったり医療であったり、そういうもののために出てきた技術です。それがだんだんいろんな用途に使われていくうちに値段が安くなっていく。
しかし娯楽に使おうとはまだ誰も考えつかない――――そこを狙うのが利口なやり方であり、私が言う「世界にまだない商品」の開発なのです。
別な言い方をすると「枯れた技術の水平思考」です。炭素繊維がいい例でしょう。最初は宇宙開発に使われ、次に飛行機の主翼になり、結局身近になって釣竿とゴルフクラブでヒットしています。
出典:(5ページ目)ゲームボーイを開発した伝説の技術者・横井軍平「私はなぜ任天堂を辞めたか」 | 文春アーカイブス | 文春オンライン
「枯れた技術の水平思考」とは金言ですね。
枯れた技術でも、それが使われていない分野と掛け合わせることで今までになかった商品が完成し、そこに価値が生まれるんですよね。
これは商品に限った話ではないです。
話が逸れてしまうのですが、ここで『ユーチューバー 草彅チャンネル』を例にあげます。
このチャンネルは草彅剛さんの「元ジャニーズ」という経歴と「YouTuber」という職業を掛け合わせることにより、今までになかった価値を生み出していますからね。
脱線おしまい。
そういえば最近話題の『ニンテンドーラボ』には横井さんのDNAをビンビンに感じますね。
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任天堂が最先端の技術ではなく、アイデアで勝負していることがよく分かる商品ですよね。いやぁ、素晴らしい発想です。
まとめ:横井さんの開発哲学にモノづくりの本質を垣間見た
今回紹介した記事から得ることができた内容は以下の通りです。
もっと横井さんの思考について知りたいので、書籍を購入して読みます。
- 作者: 牧野 武文
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/06/11
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それにしても、交通事故で他界されてしまったことが惜しいですねぇ…。
少年時代にあれだけお世話になったゲームボーイの生みの親をやっと認識できたのに、とっくの昔に他界されているなんて…、切ないですよ。