岡本太郎著『自分の中に毒を持て』という神書籍を読んで思ったこと。

自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

このタイミングでこの本を手に取り読んだのは偶然ではなく、必然だったのでしょう。

そう錯覚するほど現在の自分の心境にフィットする内容であり、夢中で一気に読み進めることで、とてつもないほどの勇気をもらいました。

正直に言うと、今までは『芸術は爆発だ!』という言葉や『太陽の塔』の生みの親ということくらいでしか岡本太郎さんを認識していませんでした。

しかし、この本を読んだ後である今は、心の底から尊敬する人物になっています。

なお、岡本太郎という芸術家は「天才」「神」ではなく、「人間らしく生きる決意を強く持ち続けた人間」という印象を受けました。

自分らしくある必要はない 。むしろ 、 〝人間らしく 〟生きる道を考えてほしい 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

岡本太郎さんのキャラクター的にも、尊敬の念を「天才」「神」なんて崇拝するような薄っぺらい言葉で褒めたら、きっとブチギレさせてしまいそうですからね。笑

人生は自分自身との闘いーー弱い自分を殺して強い自分を生かす

自分に厳しく、ストイックに生きている人は沢山います。しかし、岡本太郎さんほど自分に厳しく生きている人は、そういません。

以下に引用する一文がそれを物語っています。

自分を殺す 、そこから自分が強烈に生きるわけだ 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

『芸術は爆発だ!』と同じくらい衝撃を受けました。まさにこれこそ人生の極意であり、人間が人間らしく生きるための方法です。

現状に甘んじたり、お金や将来の不安から逃げるために安定に走ったりするような「弱い自分」を殺してしまうことで「本当の自分」が生きる、ということです。

要は自分への一切の甘えを捨てて、妥協せずに自分のやりたいことを突き詰める決意を固めるわけです。

たとえ貧しくても、生活できなくても、認められなくても、それが本当の意味で「生きる」ということなんだということを、岡本太郎さんは強烈な言葉で教えてくれます。

厳しく力強く背中を押してくれて、かつ背筋を伸ばしてくれる言葉の数々

挑戦した上での不成功者と 、挑戦を避けたままの不成功者とではまったく天地のへだたりがある 。挑戦した不成功者には 、再挑戦者としての新しい輝きが約束されるだろうが 、挑戦を避けたままでオリてしまったやつには新しい人生などはない 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

本当にその通りですね。挑戦して失敗することを人生が終わったかのように捉える人が多いですが、別に失敗したって良いんですからね。

それに、岡本太郎さんがおっしゃる通り挑戦すること自体に意義があるんです。

勇気を出して挑戦した人、挑戦したけど失敗した人、失敗したけど再挑戦した人。この人たちは遅かれ早かれ新しい人生が約束されます。

挑戦はパワーであり、パッションなんですよね。

危険だ 、という道は必ず 、自分の行きたい道なのだ 。ほんとはそっちに進みたいんだ 。だから 、そっちに進むべきだ 。ぼくはいつでも 、あれかこれかという場合 、これは自分にとってマイナスだな 、危険だなと思う方を選ぶことにしている 。誰だって人間は弱いし 、自分が大事だから 、逃げたがる 。頭で考えて 、いい方を選ぼうなんて思ってたら 、何とかかんとか理屈をつけて安全な方に行ってしまうものなのだ 。かまわないから 、こっちに行ったら駄目だ 、と思う方に賭ける 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

これ、どの時代のどんな人にも当てはまる言葉ではないでしょうか…?

自分の行きたい道って、いつでも必ず危険な道ですよね。

そして危険な道に自分の運命を賭けた人だけが、大成功を収めるというわけです。世の著名人を見ればそれは明確ですね。

「いまはまだ駄目だけれど 、いずれ 」と絶対に言わないこと 。 〝いずれ 〟なんていうヤツに限って 、現在の自分に責任を持っていないからだ 。生きるというのは 、瞬間瞬間に情熱をほとばしらせて 、現在に充実することだ 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

「いずれ」「いつか」「今度」は一生先です。自分もことあるごとにそう思いますし、常に心の片隅に置いている考え方です。

目の前で繰り広げられる楽しそうなこと、大切な人がハマっていること、それらには「いずれ」ではなく「今すぐ」飛び込む姿勢がないといけません。

「いずれ」と先送りにして、未来の自分をアテにしてはいけません。現在の自分に責任を持ち、現在に充実しましょう。

そもそも自分を他と比べるから 、自信などというものが問題になってくるのだ 。わが人生 、他と比較して自分をきめるなどというような卑しいことはやらない 。ただ自分の信じていること 、正しいと思うことに 、わき目もふらず突き進むだけだ 。自信に満ちて見えると言われるけど 、ぼく自身は自分を始終 、落ちこませているんだ 。徹底的に自分を追いつめ 、自信を持ちたいなどという卑しい考えを持たないように 、突き放す 。

出典:自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

この言葉は目からウロコでした。

小さな頃から学力や体力をテストや通知表の中で数値化されることで他人と比べられて育てられる人間だからこそ、無意識的に自分と他を比べてしまいます。それが普通でしたからね。

でも、そもそも自分と他を比較して自分を判断するというのが卑しいことであり、自意識過剰で愚かであるというのはその通りであり、強く共感しました。

岡本太郎さんだけではなく、BUMP OF CHICKENも『ray』という楽曲の中で、自分と誰かを比べることの無意味さを教えてくれています。

◯×△どれかなんて 皆と比べてどうかなんて
確かめる間も無い程 生きるのは最高だ

出典:BUMP OF CHICKEN『ray』

自分と他を比較する必要なんてありませんし、自分の信じた道を妥協せず突き進んでいれば、いちいち比べているヒマすらないんですね。勉強になります。その通り。



…続きは書籍にて!


最後に

『自分の中に毒を持て』という書籍を読んで、岡本太郎が岡本太郎たる所以を知ることができました。

冒頭でも書きましたが、現在の自分の心境にフィットする内容であり、このタイミングで手に取ったのは偶然ではなく必然であったことを確信しています。

とてつもない勇気をもらいました。これで恐れることなく、挑戦し続けることができます。

自分は自分を殺して危険な道を選び続けて、「人間らしく」生きてみせます。

何となく生きてしまっている方、挑戦しようか躊躇っている方、将来のことが不安な方。全ての方にフィットし、背中を押してくれる良書です。

気になった方はぜひ、身銭を切って読んでみてください。人生観がガラッと変わるかもしれませんし、あなたの超進撃の幕開けのきっかけになるかもしれません。

自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)

自分の中に毒を持て(文) (青春文庫)