トゥールビヨンという時計技術の美しさに息を呑むと同時に悔しさを覚える。
「トゥールビヨン」という時計技術を知っていますか?
トゥールビヨンとは、機械式時計の製造技術で最も難易度の高い世界三大複雑機構の1つです。
腕時計や懐中時計など、姿勢が常に変わり続ける時計は重力が掛かる方向の差(姿勢差と言います)によって、1日に数秒〜数十秒の誤差が生じてしまいます。
これを解決するために発明されたのが「トゥールビヨン」という技術です。
簡単に説明すると、通常の機械式時計では心臓部分が固定されているために、姿勢差の影響を受けてしまいます。
トゥールビヨンではその心臓部分を特殊なキャリッジ(籠)の中に収めてキャリッジそのものを回転させながら歯車を駆動させます。
これにより、パーツに掛かる重力が平均化されて姿勢差が解消できるんです。
要するに「固定されているが故に重力の影響を受けちゃうんだから、いっそ全体を回転させちゃえば良いんじゃね?」という発想から生まれた技術です。天才的ですね。
参考記事:
…という画期的かつ斬新な技術であるトゥールビヨンですが、近年の技術向上によって姿勢差を受けにくくなった機械式時計には、実用面での必要性はなくなりつつあります。
それでもトゥールビヨンがなくならず、今もなお多くの人の心を撃ち続けるのは、ズバリその美しさによるものでしょう。
息を呑むほど美しいですよね…。もはや芸術作品の領域です。冗談抜きで一生見ていられます。
こちらはカルティエの『ロトンド ドゥ カルティエ アストロミステリアス』という腕時計です。
トゥールビヨンが宙に浮いているように見える仕上げが芸術的ですね。
なんでも、2枚のサファイアクリスタルでトゥールビヨンを支えることで、宙に浮いているように見せているんだとか。すげぇ…。
この時計1本つくるのに相当な労力がかかっていることが伺えますよね。
とまぁ、当初は画期的な技術としての価値があり、現在では技術云々ではなく指向性の高い技術としての価値があるのが、この「トゥールビヨン」という技術です。
「トゥールビヨン」を知ったのは東海オンエアの動画がきっかけだった
ここまで偉そうにトゥールビヨンについて語ってきましたが、その技術を知ったのはごく最近のことで、今年2019年に入ってからです。
「トゥールビヨン」について知ることになったのは、以前もこのブログで紹介した、まさに「YouTuberドリーム」なこちらの動画がきっかけでした。
この動画内でヒカキン氏とてつや氏が購入していた時計が「トゥールビヨン」であり、それぞれの時計の美しさに魅了されたことで興味を持ち、今に至ります。
トゥールビヨンは超高額!一般市民には手の届かない代物
トゥールビヨンは超複雑でありパーツも多く製作の手間もひとしおであるため、高級時計の中でも一際高額です。基本的にトゥールビヨンの腕時計は1,000万円以上します。
「トゥールビヨンは金持ちの道楽」「高級スポーツカーを買うかトゥールビヨンを買うか」と言われたりするようですが、本当にその通りですよね。
話は変わりますが、この事実を知った時に、自分は「悔しさ」を感じてしまいました。
というのも、冒頭に貼った動画の時計は「A. ランゲ&ゾーネ」というブランドの『1815 トゥールビヨン』という時計なのですが、自分はこの時計に「一目惚れ」したんですよ。
自分は基本的に一目惚れしたものは何でも必ず手に入れる人間で、今まで惚れてきた服やガジェットは基本的に全て購入してきました。
そんな調子で今回も「買いたい!」と思って調べてみたら、その価格に驚愕しました。
なんと、この時計は1,800万円以上するんです…。
身の丈に合っていない無茶な買い物をする時はありますが、一般市民である自分では、この価格になってくると無茶すらできません。
惚れた女性に既に恋人がいた、または断られてしまったかのような、そんな悔しさに苛まれました。
現在の自分の力ではどうしても手に入れることができない事実を知り、自分のスケールの小ささを痛感しています。
それに、東海オンエアの動画を見れば分かる通り、自分と同年代の人たちはその価格帯の時計を手に入れているんですから、小さな自分が余計に鮮明に見えました。
でも、この悔しさには別にネガティブな感情はなくて、寧ろ燃え上がるきっかけになりました。
「自分も頑張って稼いだお金でこういう時計を買ってやろう!」と。
がんばる理由が「お金が欲しい」とか「欲しいものを手に入れたい」だと途端に「金の亡者だ」「金に溺れている」と顔をしかめる人がいますが、自分はそうだとは思いません。
小さな頃は、勉強をがんばったらご褒美に遊びに連れて行ってもらったり、美味しいものを食べさせてもらったり、欲しかったゲームを買ってもらったりしていたじゃないですか。
感覚的には、あの頃と全く変わりませんよ。まぁ、「本能に忠実」と言われたらそこまでなんですけどね。というか、本能の赴くままに生きた方が楽しいですから。
最後に
…ということで、「トゥールビヨン」という時計の美しさに気づいたよ、今の自分では到底買えないから買えるようにがんばるよ、という話でした。
いつか必ず、トゥールビヨンが似合う奴にやってやる!という決意表明的な記事でした。ここまで付き合ってくれてありがとうございました。